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店内入り口の自動ドアが開くのと同時に深く息を吸い込む。
「コラァ、ガキ共! こんな所に集ってないでさっさと家に帰れ!」
そのままの勢いで叫ぶと、しゃがみ込んでいた悪ガキ共が一斉に「ぁあ?」と『あ』に濁点でも付きそうなドスの効いた声で顔を上げた。
「お前らが居ると邪魔なんだよ」
「何だ、てめぇ?」
集団の中心に居た茶髪で頭の悪そうなガキがのっそりと立ち上がり、ジロリとオレを睨み付ける。
ガキに睨まれても怖くねぇっての。
「聞こえなかったか? つか、頭が悪いから理解出来なかったか?」
「今何つった、コラ」
「バカって言ったけど?」
ヘラヘラと笑っていると、そのバカ面の男がオレに向かって手を伸ばし、胸倉を掴んで来た。
何だ、コイツ。
やる気か?
チラリと目を向けた店内では、店長がケータイ片手に雑誌コーナーに隠れたままこちらの様子を窺っている。
ありゃ、何かあったら警察呼ぶ気だな。
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