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昨日寝る時に布団を離して敷いたよな?
畳の縁を指差して『ここから入って来るな』とも言った。
「んっ……」
じゃあ、何でコイツはオレの布団に入って引っ付いて寝てるんだ?
「起きろ、静」
まだ目を瞑ったままの静の額をペチッと平手で叩くと、「ん~……」と唸りながら静がゆっくりと目を開いた。
「おはよ……涼太」
それからオレの身体に腕を回して抱きつく。
「離せ、バカ!」
「涼太、温かい……」
ムカついたから掛け布団を捲ってやると、静が「寒いよ」と文句を言いながらもそもそと起き上がった。
「何でオレの布団で寝てんだよ。お前の布団はアッチだろうが」
壁際ギリギリにまで離して敷いた布団を指差すと、静が「てへっ」と誤魔化すように笑っている。
そんなんじゃ誤魔化されませんけど?
「夜中にトイレに起きたら寒くてさ、そしたら目の前に温かそうな布団があって……」
「それで?」
「ついでに涼太にも僕の温もりを分けてあげようかと」
「この変態が」
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