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50歳を過ぎたオッサンである店長にはあの悪ガキ共の相手は荷が重いらしく、何かあるとオレが呼ばれる。
まぁ、そのお陰でオレも仕事にありつけてんだけど。
「店長ー、オレ肉まん食いたいです」
「はいはい、一個だけね。品出し終わったら休憩入っていいよ」
「よっしゃ!」
働きを認められたらご褒美がある。
それもまたオレにとっては嬉しい待遇だ。
さっさと品出しを終えて保温器からアツアツの肉まんを一つ持ち出す。
代金は店長の奢りだ。
「15分休憩して来まーす」
「いってらっしゃい」
肉まんを手にスタッフルームに入る。
またそこからスタッフ専用の出口に向かい、店の裏に出た。
そこには灰皿代わりの水の入ったバケツが置いてあり、密かな喫煙所になっている。
スタッフルームに喫煙所があったら、わざわざ外に出なくてもいいのにな。
黙々と肉まんを食らい、ズボンのポケットからタバコとケータイを取り出す。
一本だけ口にくわえたタバコの先にライターで火を点け、薄暗い中でケータイをチェック。
何件かの迷惑メールの間に、母親からのメールが入っていた。
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