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朝、身動きのとれない寝苦しさに薄らと瞼を開けると、オレの布団に潜り込んでいた静に正面から抱き締められていた。
コイツ、またオレの布団に入って来やがったな。
ちゃんと静の分の布団を敷いてやってんのに。
ぼんやりと静の寝顔を見つめていると、まだ寝惚けた頭の中に昨日の静の言葉が甦る。
『好きだよ』
『僕の一番はいつだって涼太だ』
それは、本当にオレに懐いてるだけ?
いくら恩人でもそこまで想う物なのか?
もぞもぞと静の腕の中でもがいている内に、静も目を覚ましたらしい。
「涼太、おはよう」と抱き締める腕に更に力を籠めてきた。
「離せ、変態」
無理矢理静の腕を振り解いて布団から起き上がる。
「何の為にお前の分の布団を敷いてんのか、解んなくなってきた」
「じゃ、もう布団は一組あればいいんじゃない? どうせ一緒に寝るんだし」
「寝ねーよ、バカ」
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