第4リハビリ 【黒川悠一、人生初、誰かに敗ける日?】

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  悠一は高々と携帯を掲げた。 【取引する気はあるか】 液晶に浮かんだ文字を、無表情で一読する。 疑問符はないが、これは自分に対する質問とみて間違いはない。 そうでないとすれば、この世で最も無意味な文字だろう。 掲げた位置でゆっくりと指を動かした。 『イエス』 【東門外正面、校友会館総長室にて待つ。取引期限、本日午後3時まで】 『了解』 素早く送信を済ませると、ショルダーのサイドポケットに携帯を突き刺す。 ベンチから立ち上がり、迷わず東門を目指した。
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