第4リハビリ 【黒川悠一、人生初、誰かに敗ける日?】

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  勇也の冷やかな言葉には何の反応も示すことなく、悠一はのんびりと冷蔵庫へ向かった。 毎度お馴染み『命の水』である。 それを片手にソファーへ舞い戻ると、傍らに立って腕を組む友人を見上げた。 「この事を知っているのはお前だけだ勇也」 「……ぎょ」 「この事を知っているのはお前だけだ勇也」 「ぎょぎょぎょ」 「さかなクンか?」 「すっっっごーーーく嫌な予感がするんだけど……」 「今後も他言は無用だ」 「分かってる分かってるけど嫌な予感がするーー」 下から掬い上げるような鋭い視線が、勇也の眉間を緊張させる。 「協力頼むぞ我が親友よ」 「……」 周囲に危害が及ばないと分かった以上、悠一の『橘勇也』利用率は格段に上がり。 そして、利用される立場の勇也の心情は、面倒に巻き込まれる不快さ以上に。 歓喜にも似た快感が押し寄せて、複雑化していた。                
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