第2リハビリ

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      待ち合わせの駅には、かなりのゆとりを持って出掛けた。 約束の時間より20分も早く着いたので、トイレで一度髪型を整える。 前髪を撫で付けてから、ワンピースのシワを伸ばし、鏡に顔を近付けて化粧崩れをチェックした。 携帯を確認すると、もう5分前。 慌ててトイレを飛び出して、改札の前まで走って行く。 ちょうど電車が着いたところで、大きく深呼吸して、降りてくる人の群れから彼の姿を探した。 ……。 あ。 いた。 すぐに分かる。探す必要なんてないくらい。 存在してさえいれば、私はどこにいても、すぐに彼を探知する。 「黒川くんっ」 無表情でこちらに向かってくる彼に呼び掛けた。 伏していた目がつっと上がって、私の顔をそこに映してくれた。 あー……、素敵……。 好き好き大好き抱き付きたい。 海外だったらよかったのに。 人目を憚らず抱擁しあって、熱くキスを交わしたい。 と、感じているのは恐らく私だけだから、彼には内緒にしておこう。 「おはよう! 来てくれてありがとう」 「グッドモーニング」 「……」 あいかわらずの挨拶を交わして、私は彼よりほんの少しだけ先を歩き始める。 今日は、私の家に招く日だもの。 私が彼をリードする日だもの。  
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