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魔法使いは肩までの赤い髪と、赤い目を持つ青年だ。
町や村で別行動をとると、その顔の良さから大抵女の人に声をかけられてどこかに行っている。
性格的には飄々としているが、一緒に旅をしていた二人の面倒をきちんとみている辺り、しっかり者で面倒見はいいといえる。
歳は勇者よりも2つ上の21歳。
魔法使いとしては若いのに城の魔法師団長顔負けの魔法を軽々と扱い、彼の魔法には何度も助けられた。
主に、捕食者達の目から隠してもらう方面で。
魔王討伐の旅に着いてきてくれることになった理由は『飽きたから』らしい。
剣士は黒い短髪に、紫の瞳を持った18歳の寡黙な少年だ。
ある人物に勝つために強くなることが目標らしく、暇さえあれば素振りや鍛錬を積み重ねている努力家だ。
何回か手合わせをしたが、結局一回も彼に勝つことができなかった。
そして手合わせをしたから言える。
彼は確実にしろの騎士団長よりも強い。
そんな彼を負かす相手とは、いったい誰なんだろうか……。
彼が魔王討伐に着いてきてくれる理由は『強い奴がいないから』という、強さにこだわる彼らしい理由だった。
最後は薬師。
柔らかくて長い茶髪は無造作に後ろで一つにまとめて、前髪もずいぶん伸ばしている16歳の少女だ。
前髪で隠されている瞳は茶色と銀色のオッドアイで、可愛らしい顔立ちをしている。
彼女の薬の効果は絶大を通り越して意味不明。
聖職者の癒し魔法以上の効果を発揮する謎な傷薬、原材料は知りたくないけど壁を一振りで溶かしてしまう毒薬、勇者を追いかけてくる捕食者たちの記憶を改ざんする等……数えだしたらきりがない。
どうしてこんなにすごい薬を作り出す彼女が無名なのか分からない。
そんな彼女は薬草を求めてふらりといなくなってしまうから、目が離せない。
離せないが、一人で薬の材料であるドラゴンを狩って帰ってきた時はド肝を抜いた。
そんな彼女がついてきてくれる理由は『貴重な薬草がないから』。
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