第2章・第一部:平時

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午後3時、廊下が賑わい出す時間。校門からは赤黒、時々それ以外の色を背負ったチビちゃんたちがワラワラと群れながら帰っていく。 教科書がギッシリ詰まった机の中を覗き、必要なものを忘れていないか確認する。 「風希、クラブに入ろうぜ?!」 いつものように優真が声をかけてくる。 「優真、日曜日は野球があるから、俺サッカーは出来ないんだって。」 いつものように風希は断りをいれる。 風希は小学生三年生である、去年春から野球チームに所属している。練習は毎週日曜日の午前であり、時たまに土曜日や日曜日の午後にも練習になることもある。 そのため、放課後や昼休みにサッカーをすることは多く、風希はサッカーも好きではあるが、断らざるを得ないのだ。
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