第2章・第一部:平時

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風希が自転車をこいでグラウンドに行くと、すでにチームメイトの多くが、ぞろぞろと集まっていた。 「おっはよう!夏川、前野!」 さっと自転車を止め、その集団の後ろの方に溜まっていた同級生の彼らに話をかけた。 「おっす、東雲!聞いたか?再来週の練習試合なんだけど、六年生たちとは別に相良コーチが俺たち四年を連れて試合させてくれるんだってよ!」 俺に気付いた夏川が、嬉しげにそう語った。 「四年中心なら、俺も人数的に試合出れるぜ。」 前野もそう言った。 「へぇ?、四年中心の練習試合か!それは楽しみだな!」 俺もテンションが上がる。 「ピッチャーはお前とアレックスのどっちだろうな?」 夏川が疑問を挺すると、 「俺はモテモテ野郎のアレックスよりお前の方が良いけどな。」 クスクスと前野の笑った。
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