第2章・第一部:平時

12/32
前へ
/50ページ
次へ
「まあ、どっちの可能性もあるとは思うけど、アレックスがピッチャーじゃなきゃ、前野が最初から試合出る可能性減るんじゃないか?アレックスが外野の可能性もあるだろ?」 「げ、そっか!」 俺の指摘を受けて、ぐぬぬと前野がうねり出す。 夏川と前野は俺やアレックスよりも前からチームに入っている。2人とも、今一つまだ全力という感じではない。しかし夏川は運動神経があり、サードを守っている。一方、前野は実力不足からか、仮に試合に出るとしたらライトあたりであろうと思われる。 また、アレックスは左利きであるため、ピッチャー以外ではファーストか外野手が多い。もっともセンスがあり、また少年野球では左利きでもショートやサードを守ることがあるように、アレックスもファースト以外の内野を守ることもある。 「まあ、相良コーチならみんな使うだろうし、とりあえず打席を楽しもうぜ!」
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加