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ガサゴソ、森の中から物音が聞こえる。
木の隙間から赤色の野獣の姿をした魔物が現れた。何かを呟き始めた。
「くそ、あの剣は、何処にある!あれを探さなくては、王に叱られる。」
と走っていると、小さな村を見つけた。
―何だ、あれは、弱い下級戦士の村か・・・いや、待てよ、―
赤色の魔獣は、自分の額に埋めこんでいる赤い水晶を確かめた。
赤い水晶は、輝き始めた。
―あそこだな、あの剣を手に入れたら王はこのグレゴリアに褒美をくれるだろう。―
グレゴリアは、村へ、近づいて行った。
一方その下級戦士の村に見習い戦士の「ガウル」と言う青年がいた。
ガウルは、若者の中では、落ち零れで村では、外れ者だった。
なぜ彼が落ち零れでいるのかと言うと、戦う時になると、攻撃が当たらないのだった。
今日は、怖い先生に稽古をしてもらう日にちなので、しぶしぶ道場へ行った。だが、道場に誰もいなかったので武器のある倉庫へ入った。中に入ると、色んな種類の武器が沢山置いてあった。
「おぉ!これはすごい。」
ガウルは感心しながら周りを見回していたら、一本だけ暖かい光を出している長剣を見つけた。
―あれは何だ?―
不思議に思って剣に触ろうとして手を出そうとすると、行き成り先生の怒鳴り声が聞こえた。
「ガウル!稽古の時間だぞ!」
その時、ガウルはふっと我に返った。
「わ、わかりました。今行きます!」
大声で答え倉庫を後にした。
ガウルは稽古が始まって間もない間に、倉庫にあった不思議な剣を思い出した。
『あの剣は何だろう。とても不思議だったな。』
考えていたら、また怒鳴られてしま
った。
「コラッ!ボーっと、余所見をしてないで体を動かせ、体を!」
怒られながらも言い分けを考えていたら、外にある村の入り口の門を打ち壊す音が響いた。
その後、門番の大声が聞こえた。
「魔物が侵入したぞ!みんな武器を取れ!」
その声を聞いて先生が、ガウルを見て言った。
「お前はここで待っていろ。魔物はこの俺が倒してくる。」
と一言言いながら道場を飛び出して行ってしまった。
気が付くとガウル一人しか道場にいなかった。
ふと、あの不思議の剣を思い出したが、先生達が心配だったので、先生の言い付けを破って門まで走って行った。
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