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ジャクは、目を覚ました。
気が付くと水晶の中にいた。
―ここは、何処だ?―
ジャクは、自分の記憶を遡った。
―思い出した。俺は、封印されたんだ。でも、何かがおかしい。希望の青年が来るまで俺は眠っているはずなのだが。まあ良い、ここは、少しきつい。もう、この水晶を出なくては・・・・。―
ジャクは、少しだけ体中に力をこめた。
だが、水晶は、壊れなかった。
―さすがに力が足りなかったな、ならもう少し力を入れて確かめてみるか。―
ジャクの体の筋肉が少し盛り上がった。
その時、水晶に亀裂が入り大きな音をたてて砕けた。
ジャクは、己の力で自由を取り戻した。
その時、ジャクのポケットから、金色の花びらが落
ちた。
「フゥー、少し疲れたかな。そうだ、闇の精霊『ダークネス・フォーク』いや、ネスクを呼ぼう。」
心に声をかける直前に後ろから声が聞こえた。
―呼ぶ必要はない。私は、ここにいる。―
ジャクは、笑みを少しこぼしながら振り返った。
そこにいたのは、黒い服を着ていて、黒髪の精霊が立っていた。
―予言より早く目覚めたな。まぁ良いか。じゃあ、さっさとこの洞窟を抜けよう。お前の武器は、近くの岩の台に置いてある。早く取ってきなさい。―
実際に、岩の台ではなく壊れている、石像の足下にあった。ジャクは、武器を取った。
それは、刃が黒い長剣であった。
「久しぶりと、言うのかな?この闇の剣は。また振らしてもらうぞ。」
ジャクは、腰に剣を納めた。
その時、ネスクは、ジャクの後ろに立った。
「そろそろ行こう。」
ジャクは、腰をかがめて素早く走り出した。
走っていると、やがて大きな湖に出た。
「地下水か。それにしても寒すぎる。」
ネスクが喋り出した。
―気を付けろ!何かが来る。―
その時、湖から巨大な水蛇が現れた。
「我は、ここの管理を王に任されたユンノアドが相手だ。」
ユンノアドは、口から冷気の玉を吐いた。
冷気の玉が、ジャクに直撃する直前にジャクは、剣を抜いて、冷気の塊を軽く弾いた。
冷気の玉は、湖に当たったその瞬間、湖の半分が凍りついた。
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