第1章 プロローグ

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凄まじい轟音と振動と悲鳴が大きく艦内に響いた。 攻撃とそれを避けようとする航行で艦内は揺れに揺れている、そんな艦内のとある空間で灰色の作業服を着た多くの作業員が動き回っている。 大きな機械を抱える者や弾薬箱を運び回る者がいる中で作業員に囲まれている一団がいた。 鉄の鈍色を全身に纏ったこの一団、全員銃火器を手にして全身に鎧のような物を纏っている。 彼等の名は『飛空士(ひくうし)』、文字通り、空を飛ぶ兵士達である。 身体で1つで大空を翔け、敵と砲火を交える彼等は軍の剣であり、護り抜く盾である。 飛空士が空を飛ぶ時に原動機、エンジンは搭載しない。 空を飛ぶ原理は2つある。 1つは飛行する原理は背中に装備した航空力学に基づいた可変式翼、これはグライダーのように滑空する時や飛行を安定させる為の物で此方は補助的な役割だ。 2つ目、それは飛空士が身体に宿す力である『霊力』だ。 精神同調を施した飛行服を通して全身にある開口部より圧縮空気を排出して推力を得ている。 これにより、量産品の飛行服を装備していても霊力量で飛行時間が変わってくる。 訓練により霊力量は増えるが上限にはやはり個人差がある。 そしてその霊力量はそのまま戦力として現れる。 その為、霊力量が桁違いに多ければ文字通り一騎当千の兵士となれるのであった。
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