314人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
「伊藤...これが本気で通ると思ったのか?お前は」
それはそれは底冷えするような無表情と声で、目の前の人は仰った。
「......あ、その、」
「なんだ、なにか発言するならハッキリしろ。」
「いえ、申し訳ありませんでした。もう一度やり直します。」
バッと膝に頭が付くんじゃないかというくらいに礼をする。
「--着眼点はいい。このまま別のアプローチを考えてみろ。」
「はい、ありがとうございます!」
ほんの少しだけ誉められて、頑張ろうと自分のデスクに戻る。
「伊藤、七瀬課長にまた怒られたか。」
すると、すぐさま隣の席の先輩社員が心配そうに話しかけてくる。
「ああ、まぁしょうがないです。でも企画自体はこれでいいみたいなんで、なんとか頑張ってみようかと。」
「お前...いつも思うけどすげぇな。七瀬課長にダメだしされたあとにそのやる気...俺には無理だわー。」
「そうですか?」
最初のコメントを投稿しよう!