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声をかけただけでは動かない。
意を決して、
「な、七瀬課長、帰りましょう?」
肩に手を置く。
なるべく手も声もゆっくり、子供に言い聞かせるように。
ピクッと肩が動いて身構えたが、うっすら目を開けた課長は、
「ん~...伊藤?」
目がトロンとしていて。
「そ、そうです。帰りましょう?眼鏡のまま寝たら危ないですし。」
その視線にちょっとだけドキッとした。
いやいや、と肩から手を離し立ち上がろうとする。
が、しかし。
「っ、課長、立ってくだ--うわっ!」
今まで眠っていた課長に抱きつかれ--いやしがみつかれた。
そりゃもう思いっきり。
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