納得できない 2

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頭のなかは疑問だらけだが、 「--もう次始まるから自分とこ戻れ。」 はぁ、とため息をつきながらシッシッと手を振る。 言うとおりに立ち上がった三島は、振っている手を掴んで思いきり引き寄せ、 「うお!?な、」 「好きだよ、春。」 耳元で小さく囁いて去っていった。 ざわざわとする教室で俺はというと、呆然と机に突っ伏すしかなかった。 たぶん三島は、なかなか落ちない俺を面白がってるんだろうと思う。 早く飽きればいいのに。 つーか、俺の平穏を返してください。 マジで。切実に。 実はこのとき、三島がセフレを全員きって本命を落としにかかっているという噂を、ただひとり俺だけが知らないのだった。
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