虎視眈々

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「まさかここで放置されるとは思わなかったなー、想定外。」 「...は?」 さっきまでとは違い、俺に跨がりしっかりとした口調で言葉を発しているのは、確かにやつだ。 短く明るい髪は無造作にセットしてあり、少しつり上がった目に薄い口唇。 所謂イケメン。スタイルもいい。 抹殺したろか、腹立つな。 状況をのみこめず呆然としているあいだに、ベルトに手をかけられ驚く。 「いやいやいや、なにしてんだ!」 「えーなにって、ねぇ?」 ねぇ?じゃねーよ、ボケ! 「おいっ!やめ、んん!?」 「しーっ、ここ玄関だから大きい声だしたらダメだって。」 掌で口を押さえられてしまう。
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