14人が本棚に入れています
本棚に追加
´
「多(おお)木さん、お疲れ様でした~~」
「はい、お疲れ様です。
あ、まのさん、待ってよ~~出てんのよぉ」
「えっ、出てるって何が……ですか?」
「健康相よ。
毎晩、銀座辺りで飲み明かすのもいいけどさぁ、
健康な身体あってのお仕事ですからねぇ。
気ぃつけないとねぇ、まのさんっ!」
「あははは……
多木数の子さんとお会いした日には、
何でもお見通しなんだから嫌んなちゃうよなぁ。
じゃ、明日はよろしくお願い致しますね」
「はい、分かりました。
では御機嫌よう、まのもんたさん」
多木数の子と大沢マネェジャーが、テレビ朝日ビルを出て、
多木数の子が時間を確かめたとき、
「ねぇちょっとマネェジャー。
あの人まだ踊ってんのかなぁ?」
と尋ねた。
大沢マネージャーはちょっと傾げるようにして、
「ぁあ……あの人って、
66プラザのママン(蜘蛛のような蟻のような不気味な造形物)の下で踊ってた、あの女性のことですか?
あっははは……
あの女性なら、ああやって昨日から踊ってるらしいんですよ。
頭でも可笑しいんじゃないんですかねぇ?」
と、頭に指をさして言うのだった。
´
最初のコメントを投稿しよう!