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「そぉ……昨日からなの。
ねぇマネェジャーあの人を呼んで来て下さいな。
私は清山で待ってますから……、ほらっ急いでっ」
「えっ? ……はい」
大沢を急かすようにして行かすと、
多木は森ビルの5Fへと上がって行き、鮨清山の暖簾(のれん)を潜った。
程なくして、
大沢とその女性は、多木数の子の目の前に現われ、
多木は奥のテーブルに、席を作って待っていたのだった。
「多木先生、お連れしましたょ」
大沢は椅子を引いて、
「さ、どうぞ……、遠慮はいりませんよ」
と、その女性を持て成し始めた。
「そうですよ、遠慮なさらないで下さいな。
ご苦労様でしたねぇマネェジャー。
えぇ、後は大丈夫ですから、マネェジャーはカウンターで握ってもらっててよ。
私ねぇ、この方とちょっとお話しがあるのよ」
大沢は、はい分かりましたと言って、カウンターへと向かって行くのだった。
「どうも失礼なことを。
では、改めまして、
私は、多木数の子と申します。どうぞよろしく」
「ぁぁ……あたし、真弓ぃ言いますがね。
(間を置かず)
あの、先生! 治しっ下さいっ! 助けっ下さい、先生!」
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