あの子パンツはいてないのに。

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 俺の名前は 万屋 太陽【ヨロズヤタイヨウ】。  この物語の主人公であり、世界中に散らばる数百人の自然系超能力者達の頂点であり集結点である《万屋家》その四代目家長である万屋 銀之助【ヨロズヤギンノスケ】の息子であり長男であり、そして--  そんな優秀な家系の血が流れていながら、自然系超能力が一切使えない落ちこぼれで、情けない、凡才な、ただの高校二年の男子高校生だ。  先ほどの例えは俺の実体験、だからこそ俺は努力という言葉がどうしても好きにはなれない。  努力が身を結んだ事など一度もないのだから。  だから俺は努力するのをやめた。 ---- 「だってさぁ、産まれ持って電気を操れないような普通の男がさぁ、死ぬ程努力しようとも突然電気を操れるようになる訳がねぇだろうが。もしそんな馬鹿みてぇな事が出来るなら、世界中、自然系超能力者で溢れかえるわ。だから俺、努力はやめたの、だってしても無駄だって気づいたからな」  一人暮らしをしているちっぽけなアパートの一室で、そんな残念な自論を、腕を組み偉そうに《真の天災の血を引く妹》の前で話した俺。  「ふぅーん」と、興味なさそうにゴミを見るような視線を送ってくる我が妹。
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