第1章

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だが二人が行っているのは一対一。 そこで実力は均衡している。 なので雅人は口では認めない。 「もー…でもさ、本当にバスケ部入ってよマサ。」 さっきとは違って真面目な声で語る直紀。 そんな直紀を見て、雅人はため息を吐く。 「お前なら分かるだろ。今更チームプレイなんか俺はできない、やったらいけないんだよ」 雅人はぼーっと夜空を見上げながらそう言った。 「でも、あれはマサが悪いんじゃないんだよ?」 「みんなそう言ってくれる。…でも俺の中で踏ん切りが付いてないんだよ」 雅人の表情が苦しむように変わった。 それを見て直紀は出過ぎた真似をしたと、後悔する。 「あ、ごめん…マサ…」 「良いよ、大丈夫だ」
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