2章

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視線がしっかりと合ったので他の人を探しているということはないだろう。 だが、雅人にはその女子生徒に見覚えがなかった。 人付き合い自体は苦手分野ではない為、一応関わった人のことは覚えている自信がある。 が、記憶を掘り下げていっても彼女の顔も名前も出てこなかったということは関わったことはないのだろう。 じっとこちらを見ていた女子生徒は、視線をそらし、ドアの死角に消えていった。 彼女が消えた空間を数秒間眺めた雅人は、またもやクラスメートに声をかけられ、作業に戻った。 文化祭まで、あと一週間である。
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