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「さあ、どこでもOK牧場っすよ!どこへ行きます!?」
「どこって言われても……今日、免許取ったばかりだから遠くへは行けないな~」
「今日……ですか瑞希元会長……」
「って事は、初めての被害者は……」
「うん!2人が初めてだよ~」
瑞希元会長はお日様のような笑顔を浮かべている。そして、龍とミコトは砂漠でお日様に照らされ続けたみたいにカッサカサになっていた。
それでも俺にはそんなの関係無え。
「いざ行かん!2人の逃避行!」
「兄さんは瑞希元会長と何処へ行こうとしているのですか?」
「ん?刑務所じゃねえの?実刑間違い無しだろ?」
「夕日!冤罪は人生を狂わすのですよ!まだ事が起きる前から、軽はずみな事を言うものではありません!」
「え?何?これから起きますみたいな言い方?」
まさか朝日にまでそんな事を言われると思わなかった俺は、まるで首の骨が折れたみたいに頭を垂れる。
そんな中、おとなしくしていたましろが行き先を提案してきた。
「……お城までお願いします」
「北海道にあるお城はラブホだけだ!しかも、ちゃっかり車に乗ってんじゃねえよ!」
いつの間にか後部座席に乗っていたましろ。
「ちょっ!ましろも乗るつもり!?いくらましろでも無理だからやめなさい!そんじょそこらのドS運転とは訳が違うわよ!」
「ぼ、僕も反対です!罰ゲームなんて生易しいものじゃありませんよ!」
生き返った2人の説得に応じる様子もないましろだった。
「……幼女と2人きりの密室……犯行は事前に食い止めねば」
「俺が信じられないのか!?」
「……信じているわよ……期待を裏切らず手を出すと」
「嫌な信じ方だな……」
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