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朝日の膝の上……というよりお股に顔を埋め至福の雰囲気をかもし出すましろ。
こうなると朝日はもうパニックだ。涙目で俺に訴えてくる。
「おい!うらやましい事してんじゃねえ!」
俺はましろの襟首を掴み持ち上げる。
「……にゃあ」
「おうおう、背筋が伸びて頭の悪そうな猫だな」
「……嫉妬?男の嫉妬はみっともないわ」
「このまま窓から投げ捨ててやろうか?」
無表情で憎まれ口を叩きながらも、ましろの雰囲気はどこか勝ち誇っていた。
「まあまあ、お2人共落ち着きましょうよ。あっ、委員長も落ち着いて下さい」
龍になだめられ2人揃って正座する。当然、俺はましろの襟首を掴んだままだ。
「た、助かります……」
やっと安心出来たのか、朝日は壁にめり込むぐらい引いていたのだが、びくびくしながらも俺達の近くで腰を下ろす。
「さて、落ち着いたところで今後について話し合いしましょうか?」
「……せくはら裁判?」
「セクハラだと自覚があったのですか!?」
「いえ、今週末についての事です」
華麗にましろをスルーし話を進める龍。ましろに慣れたのは俺だけじゃない。ここにいるみんなが慣れていたのだった。
「今週末って?」
「あれ?空は瑞希元会長から聞いていませんか?」
「はて?」と頭を傾げる俺の横で、ましろも同じように傾げている。
どうやら記憶が無いのは俺らだけのようで、朝日や夕日には思い当たるふしがあるらしい。
「今週末って、海に行くってやつか?」
「そうそう、やっぱり聞いているよね。瑞希元会長がお楽しみイベントを言い忘れるわけないし」
「まあ、あれだけのショックを受けた後ですから、記憶が混乱しているのかもしれませんね冬月さんは」
「俺は!?」
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