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この俺が水着パラダイスを忘れるぐらいのショックを受けていた事実に更にショックを受ける。
「……二重の極みでショック倍増ね」
「いつの喧嘩屋だ!?」
確かに一瞬でも妄想水着を忘れたのはショックだが、それでもあと数日でリアル水着を拝めるのである。楽しみすぎて暴走気味だ。
「ふえっ?なぜ私を拝んでいるのでしょうか?」
楽しみすぎてフライングしてしまう。
しかし、そんな俺の気持ちも知らずに、龍が雲行きの悪くなるような事を言い出した。
「問題は……足……ですね」
「……足!?」
「きゃぁぁぁっ!どうして私の脚をまさぐるのですか!?空くんもちゃんとましろさんを押さえていて下さい!」
「やっぱり縄?」
「ついでに兄さんも縛りましょうか?亀のように」
「亀甲さん!?いつの間にそんなテクを……」
「いえ、縛れませんよ」
一向に話が進まない事に普段は温厚な龍が我慢の限界に達する。
「もう面倒ですから空を縛って下さいミコトさん」
「首吊りでいいのかい?」
「待て!それに芸術性は無い!」
「縛りに芸術を求めるなんて……真性だなお前は」
「うにゅぅ……そろそろ話を戻さないと縄じゃなくて手で絞められちゃうよ……龍くんに……」
そんな龍の表情はとても笑顔だった。だが、内からにじみ出る迫力は海や朝日の比じゃない。加えて直接的な攻撃力も兼ね備えているのだから、俺が出来る事はただ1つだった。
「板についた土下座ですね」
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