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あの龍に睨まれたからには、俺だけじゃなくましろでさえ大人しくせざる得ない。
「ふぅ……やっと落ち着いてくれましたか……では、話を戻して今週末についてですが……どのような方法で海まで行きますか皆さん?」
あの運転を見てしまった以上、瑞希元会長の車は足として機能させてはならない。そうなると必然的に公共交通機関でしか移動手段が無いのだが……
「絶対、車で行くのー!運転したいのー!みんなでドライブしたいのー!」
遅れた反抗期が始まる瑞希元会長だった。いや、外見だけで見ると早熟な反抗期かもしれない。
「えーっと……瑞希元会長?出来ればもう少し運転に慣れてからではいけませんか?」
「いーやーだー!」
せっかく龍が優しく言ったのに、聞く耳を持たない駄々っ子へと変貌している。
「……駄々っ子……萌え」
「お前は女なら何でもいいのかよ?」
「ええ!」
「即答かよ!」
これは誰の言う事も聞いてくれそうに無いと感じた俺は、少しだけ話をそらしてみる。
「そう言えば、もう1台車をだすとか言ってましたが……誰?」
「んにゅ?稲葉くんだよ」
「………………あ"ーーーーっ!このハーレムの中にマッスル先輩を呼ぶんすか!?」
「マッスル先輩って……言っていいんだよね空くん」
「マジさーせんした!つーか、稲葉先輩は無理じゃないっすか?大学野球もあるし」
「んー?そうなのー?じゃあ聞いてみよう」
さっきまでの駄々っ子は成りを潜め、元に戻った幼女は携帯を取りだし電話をかける。
「……あっ、マッスル先輩かなー?」
「ちょっ!?幼女!!」
『……一ノ瀬に代わってくれ』
「なぜ俺だと!?」
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