おまけ

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突然の幼女乱入により今まで自分達が何をしていたのか?ここにいる全員が忘れてしまっている。 瑞希元会長の運転に対する恐怖が無くなった安堵と、日曜日の海へ行く楽しみで満たされていた。 「海ですか、久しぶりですね」 「俺なんて子供の頃に親と行ったっきりだぞ。なあ、海」 「はい、そうですね兄さん。あの時は私が迷子になっていたのに、兄さんは水着のお姉さんのお尻を追いかけていましたね」 「エロガキ!」 「エロ餓鬼!」 「……えっち!」 「お前は波に乗ってツッコめよ!」 若気の至り……というには若すぎるが、海に言われても記憶が甦らない俺だった。 「本能か!」 「煩悩か!」 「……尻マニア!」 「否定しにくいツッコミを入れるな!」 同じような属性のましろにツッコまれると、苛立ちも倍増だ。 そんな一方的にツッコまれる俺に対し、1人だけ蚊帳の外にいる人物……それが朝日だった。 ツッコミが本職でないと言ってしまえばそれまでだが、それ以前に考え事をして話を聞いていないようである。 「海……水着……あのー、皆さんは水着をどうするのですか?夕日は部活の方とプールとか行ってましたから持ってますよね」 「うん、あたしはね。でも、朝日は水着持ってないよね?」 「はい……学校では水泳授業もありませんし、プールにも行く事がありませんので」 「買うしかないんじゃない?それとも、お小遣いがピンチとか?」 「いえ、それは問題ありませんし買うのは良いのですが……」 朝日らしくなく話の主旨が見えない。 「ちなみにですね……どのような水着を?」 「ビキニ!」 「ですよね北条さんは……」 「あたしも上がビキニで下がパンツタイプだな」 「夕日のはそうでしたね……」 「……マイクロビキニ」 「ましろさんは新たに購入しましょう」 「私は皆さんみたいにスタイルが良く無いのでワンピースタイプです」 「海さん……充分なスタイルですよ」 みんなの水着を聞きながら、朝日はどす黒いオーラを身にまといだしていた。 「うぅ……私はどうすれば……」 「……すく水!」 「嫌です!」
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