27人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
「事の成り行きはこうです。何もしてこない空に不安を抱いた冬月さんがミコトさんに相談し、僕がその確認をしたという事ですよ」
このようなプライベートに踏み込まないはずの龍が踏み込んできた理由に納得がいった。
「まったく空は余計な事は軽やかに言うくせに、大事な事は口数少なくなるのですから……あとは冬月さんと直接話して下さい」
そう言って龍は携帯を俺に手渡す。
画面にはましろの姿。聞かれてしまったという恥ずかしさが、余計に口を重くする。
再び無言になった俺に龍は苛立っているようだが、どうしても言葉が出てこないのだった。
そんな中、ましろが先に口を開く。
『……ありがとう』
出てきた言葉は感謝の言葉。
『……大事に思ってくれているのね』
それは違う!自分に臆病で初めて告白した日から何も変わっていないだけだ!そう言いたくても言葉が出てこない。
『……空がそう考えているなら、わたしはその気持ちを尊重したい』
俺を待ってくれると言っているのだろうか?そんな優しさが俺の涙腺を弛ませる。
『……でも、無理だけはしないで……我慢汁垂れ流されても迷惑だから』
「その言動が1番迷惑だ!」
『……わたしは何時でも受け入れ態勢よ……今日もほら』
そう言ったましろは、携帯を朝日に手渡しスカートをたくしあげる。
「そこ店の中だよな?それにお前のパンツは見慣れたわ!」
『……なんという倦怠期……じゃあ……』
そう言うとましろは、たくしあげたスカートの裾を口でくわえはじめた。
「流石だましろ!良い仕事だ!」
「本当にあなた方は……」
携帯越しでも迷惑なバカップルだ。何より迷惑なのは、スカートをたくしあげている痴女がいる店と、携帯で撮影している朝日であろう。
「きゃぁぁぁぁっ!ましろさん!こんな所で何をするのですかーっ!」
「……普通にたくしあげただけじゃ満足出来ない殿方におぷしょんを」
「そういう問題じゃありませーん!」
最初のコメントを投稿しよう!