おまけ

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確かに告られた龍からすれば、相手の内面を見る時間などありはしない。付き合ってからという選択肢もあるだろうが、そんな後だしみたいな方法を龍が取るはずがない。 どんなに見た目がイケメンで常に笑みを浮かべ、一見チャラそうに見えようが中身は決してそうでは無いのだ。 何事にも真剣だからこそ、相手を知る前に付き合う事が出来ないのである。 器用に見えて不器用……自分の彼女となる人物に関しては、それだけ誠実で真剣に考えているのだ。 それ以外の女性に関しては器用すぎる気もするが…… こんな話になったついでだ。ガールズトークのような話をしてみる。いや、どちらかと言うと修学旅行の定番か? 「内面ね……って、お前はその石仮面で隠してるじゃねえか!そんなんで誰がわかる?」 「別に僕は超人的な肉体を得ようとはしていませんが……まあ、仮面を被っているのは認めますよ。それでも、おおよその内面を知ってくれている人物もいますけどね。仮面も万能じゃない証拠です」 そう言いながら再び笑みを浮かべる。その笑みにドキッとしたのは、絶対に悟られてはならない。 「少なくとも僕や空の周りにいる人には、他の人より内面を知られているでしょうね。そうなるとは思いもしませんでしたが……」 「嫌……なのか?」 「最初の頃は……ですが、今はそれで良いのだと思っています。昔の僕からは考えられませんけどね」 この状況でも龍は自分の過去を話してくれない。それだけ言いにくい過去なのかもしれない。 龍の事だ、聞けば教えてくれるだろう。 だが、俺は自ら聞く事は決してしない。 必ずいつの日か龍の口から話してくれるだろうと信じているから。 その日がいつになるのかは分からない……それでも俺は待つのだろう。 俺と龍の関係は、この先もずっと続くと根拠の無い確信を持っているから。 1年後、5年後、10年後……今と変わらぬ笑みを浮かべ話してくれると信じて。
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