おまけ

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「なななななにゆえ海をチョイスしたんだ!?確かに海は美人だし料理は上手いし家事一般万能だが!」 「落ち着いて下さい空」 「体か!?体が目当てなのか!?スタイルで言えばミコトみたいに欲情を催す体じゃないが、均整のとれた素晴らしいスタイルだが!」 「落ち着いて下さい空。妹の体をそのように分析するのは色々と危険思想ですよ」 「まさか……俺の弟に?……ダメだーっ!俺を兄と呼んでいいのは海だけだーっ!いくら龍でもそれは許されーん!」 「だからですね……少し落ち着いて下さい!」 我慢の限界を向かえた龍は、俺の顔面を鷲掴みしながら壁に押さえつける。その表情は笑みを浮かべているが目は笑っていない。 「おーけー……落ち着こうか龍……」 「それはこちらのセリフです」 顔面を鷲掴みされ壁に押し付けられている状況が俺を冷静にさせてくれた。 「壁ドンは顔面を鷲掴みにするものじゃないと思います」 「何を狂った事を言ってるのですか?そこまで強く打ち付けていませんが?」 「いや……客観的に見るとそれに近いかなって……」 「意味不明な事を口走っているという事は、少しは冷静さを取り戻しましたね」 その判断理由もどうかと思うが、俺が冷静になったと判断してくれた龍は鷲掴みを解放し、その手を顔の横から壁に添える。 「壁ドン自体、誤用されていますが、これの何が良いのでしょうかね?」 「……………………」 「気持ち悪いので頬を染めながら目を反らさないで下さい」 そう言いながら、今度は俺の股に龍は膝を入れてくる。 「っ!?っっっっっ!?……股ドンは……ちゃんと体勢を……考えなければ……」 脚の長さの違いを実感してしまう。龍の膝は股ではなく、俺の愚息を直接攻撃していた。 「元々、誤用の応用ですからこれでいいですよ」 冷静という言葉通り、俺の体温は冷たくなり静かになっていた。
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