おまけ

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とうとう「勉強」の「べ」の字の欠片すら見当たらなくなる俺の部屋。それどころか、ちょっとした託児所に近い。 海の友達であり、後輩であり、女性である特権をフルに駆使し、俺の我慢限界ギリギリまで部屋を散策しているその姿はまさに子供!それを見ながら止めようともせず見守る龍は保護者か? 託児所勤務の方には優しくなれそうだ。そして、俺の将来設計に託児所勤務は消え去る。 それぐらい肉体精神の疲労が凄かった。 「ぬわぁぁぁっ!海ーーーっ!早く帰ってきてくれーーーっ!」 「いいのですか空?先ほど華麗に着信拒否していましたが」 「…………ミコトーーーっ!早く帰ってこいやーーーっ!」 「おや、小悪魔を更に増やすおつもりですか?」 「八方塞がり!?」 おかしい?なぜこうなった?今日は静かに勉強をしていたはず? それがこのような大惨事に? 最初は朝日だけだったはず……ましろと海が一緒なのはいつもの事で取り立てて問題は無かっただろう。 しかし今日は、夕日が一緒だったり瑞希元会長が乱入してきたり、その元会長が龍とミコトを拉致して放置していったり、この2人が海と遊ぼうと来たが海が不在だったり…… 奇跡的なご都合主義により、今の惨状が繰り広げられている。 元を辿ればそう…… 「くそっ!夕日がファ◯ネルみたいに朝日についてきたのが始まりじゃねえか!?」 「潔い逆ギレですね」 「だってそうだろ!アイツさえ居なければ今頃、水着勉強会まっしぐらだったんだぞ!」 「過去と未来、現実と夢を一緒にするのは止めた方が良いと思いますよ……夢は覚めるものですから」 寂しい現実を龍が述べた瞬間、部屋のドアが勢いよく開く。 「おっ?貴様はあたしが居ないところで朝日に何をさせようとした?おっ?答えろ?こらっ?」 「いいえ?若気の至りによる妄想でしかありません。当然、実行などおそれ多い……なので……この心臓に当てている拳を退けて頂けないでしょうか夕日様……」 「お帰りなさい夕日さん」
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