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夕日の到着から遅れる事数分……
「……ただいま」
「ただいま戻りました」
「いやー良い買い物が出来た……って、あんた達まだ居たの?」
「はい!満喫してます!」
普通に歩いて帰ってきた3人が部屋に入ってきた。
「おかえりなさい。お早いお帰りでしたね」
「はい、お待たせするのも申し訳ないですし、なにより……」
「……早く……早く着替えるのよ朝日!」
「ましろが暴走気味で逃げ帰ってきたんだよね……ははっ……」
「それはそれは……お疲れ様でした」
どうやらミコトの笑みがひきつるぐらいカオスな状況だったのだろう。
「すみません勉強を押し付けてしまって」
「いいえ、それは問題無いのですが……逆にお力になれず、こちらが謝らなければいけないぐらいです」
「まあ、あたしも余計なお願いしていたしね。で、空は?」
龍は無言で入り口横の壁を指差す。
「きゃぁぁぁぁっ!?どうしたのですか!?壁に張り付けになって!?」
「……あーめん」
その姿はキリストを思い出させた。
「海ちゃん!釘が短い!もっと長い釘をちょうだい!」
「はい!夕日先輩!」
本気で俺を張り付けようとする2人。夕日はもちろん、海の目も正気を失っている。
「2人共、落ち着いて下さい!北条さん!私が夕日を押さえますので、海さんをお願いします!」
「あいよ~」
あまりやる気の見られないミコトの返事だが、一応海を止めに入る。
「海ちゃん、そんな肉体的制裁より……ごにょごにょ……」
「ふふふ……そうですね……兄さんにはその方が効果的ですね……」
ミコトが海に耳打ちし、それに正気を失った笑みを浮かべ納得しているようだった。
ミコトが何を言ったのか、それは怖くて聞きたくもない。
一方、朝日の方は……
「夕日……」
「はいっ!調子に乗りました!本当にすみません!」
名前を呼んだだけで夕日の顔色は真っ青になり、直立不動になっていた。
「これが姉妹の力関係ですね。それに比べ一ノ瀬家は……」
「……精神年齢は海が上よ」
「そうでしたね。これは僕が間違っていました」
「納得すんじゃねぇーっ!」
「うわっ!ゾンビがツッコんだ!?」
「誰がゾンビだ!?」
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