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ましろは上半身半脱ぎ、その肩を両手で揺らしている俺は海にとって性犯罪者確定だ。
はりつめた空気が対面で正座する俺と海の間に漂う。
そして同じくましろと朝日の間にも。
「やれやれだね。空の正座は見慣れてるけど、ましろも慣れてきたもんだね……で、あんたら2人はどうする?日曜日に海に行く?」
「是非、ご一緒……と言いたいのですが、あいにく別の用がありまして……」
「残念ですが行けないんですよ」
これは朗報だ。水着女性が2人減るのは心苦しいが、この2人だと水着姿を堪能する以前に俺の社会的立場の危険の方が高い。
「なのでミコト先輩、頼みましたよ!ベストショットをお待ちしています!」
「任せとけ!」
「何をだ!?そして、ミコトも力一杯返事してんじゃねえよ!」
どうやら居ても居なくても危険は変わり無いらしい。
結局、日曜日は最初と同じく9人という結果となった。
「……バカには見えない水着」
「もういいよそれは!」
「あの……あまり期待しないで下さいね」
「そりゃ、無理な話だ」
「期待しなよ空!今年の夏は大胆よ!」
「ミコトが大胆って……犯罪臭がするな」
「別にあんたの為に水着を選んだんじゃないんだからね!」
「キメえな!ツンデレのテンプレは止めろ!」
「気を付けて下さいね兄さん……目を……」
「誰に気を付ければ!?」
「さて、僕も水着を新調しますか。空の為に」
「サービス精神はもういいから!」
「期待していますよ!薄い写真集が出来るようなショットを!」
「先輩は少し肌を焼いて下さいね!当然、水着はブーメランで!」
「君達、行かないのに何を期待しているのかね!?写真集!?印税要求するぞ!」
今の時点で何事も無く無事に終われる気がしなかった。いや、このメンバーで何事も無いなどあり得ないだろう。
色々な覚悟を決め、日曜日までの時間を過ごす。
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