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猛暑日となった日曜日。海日和としか言いようが無いぐらいの天気だ。ジリジリと焼けるような日差しが肌を突き刺す。それぐらいの好天に恵まれたのであった。
雲ひとつ無い晴天、降水確率0%、日頃の行い……とは言わないが、海に行く事が決まって以来、真面目に勉強してきたご褒美じゃないだろうかと錯覚してしまう。
北海道の短い夏。それを満喫する為に俺達は海へやって来た。
「おっしゃー!着いたー!海だよ海!テンション上がるー!」
「夕日先輩、まだ皆さん車から降りてませんよ。先に行ったらはぐれます」
「ほらー稲葉くん!早く早く!置いていってもいいかな?いいともーっ!」
「よくねえよ!あまりはしゃぐなよ大学生のくせに」
「夕日ー、団体行動を乱してはいけませんよー!」
「そりゃ無理だって委員長。夏に海ときたら暴走する気持ちわかるもんね」
「そうですねミコトさん。日差しも地面の砂も熱いですが、それもまた風流」
「……右……左……水着の女性だらけ……ここはパラダイス?」
各々、テンションが上がっているようだった。
「……ところで、1番テンション高そうな男の欲望代表は?」
「うげぇぇぇぇぇっ!」
車の影で胃の内容物をマーライオンの如く排出していた。
どうやら、今の時点では俺だけがテンションがた落ちらしい。
「ったく、だらしねえな。楽しかっただろ。なー海ちゃん」
「はい、夕日先輩!スリルがあって楽しかったです」
夕日と海のテンションの高さは、海に来た事だけじゃないようだ。
「げほっげほ……くそっ……お前らの三半規管は地球外生命体か?実は夕日、お前の正体ビッグフットなんじゃ?」
「誰の足がデカイってーっ!?」
「そういう意味じゃねえよ!」
とツッコミを入れている俺は、夕日にロメロスペシャルを極められていた。
「あっちーっ!せ、背中が熱ーいっ!」
「当たり前だ!早くロメロを解きやがれーっ!痛っいたたたた!」
「……バーベキューみたいね」
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