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そわそわしながらも俺は稲葉先輩の監視の下でパラソルを突き刺したりシートを引いたりしている。
逃げ出したい気持ちだが、稲葉先輩と龍の視線がそれを許さない。この2人相手に逃げてしまえばどうなるのか……考えるまでもない。
瑞希元会長の運転地獄からやっと解放されたのに、なかなかテンションが上がりきれない俺だったが、そんな下限まで下がっていたテンションが一気に振り切れる。
「にゃは、だーれだ?」
後ろから俺の目を隠す小さな手に独特のアニメ声。どんなに見えなくても間違えようのない人物。
「永遠のロリ会長様です!」
「あた……り?」
疑問系で返事をする瑞希元会長は、目隠しした手をゆっくり離してくれた。
と同時に獣のような素早い動きで後ろを向く。
そして俺は固まった。
「小学生?」
「大学生ーっ!」
フリフリだらけのワンピース。ツインテールを束ねお団子にしているその姿は、誰がみても小学生でしかない。大学生と言われても信じれるはずがない。
そんな瑞希元会長を見た俺は、萌え死にそうな感情を全力で抑え行動を起こした。
「はい、高い高ーい」
「に"ゃっ!?いきなり!?」
「混乱する気持ちも分からなくもないですが、通報される前に降ろしてあげて下さい」
確かに龍の言う通り混乱しているのだろう。俺は瑞希元会長を降ろし、1度目を瞑って小学生の姿をリセットする。
そして再び目を開く!
「はい、高い高ーい」
「またっ!?」
どんなにリセットしようが、俺の視界には可愛い小学生がいるのだ。
「おいっ、犯罪者!目を覚ましなさいよ!」
スパーンと乾いた音をたてビーチサンダルが俺の頭を打ち抜いた。
なんとも優しい(?)ツッコミに勢いよく反応し、あっという間に石化する。
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