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海という場所にたどり着いた時、どうして人のテンションは上がるのだろうか?
開放的な空?広大な海?優しく足元に広がる砂?
理由はどうでもよかった……ただ、テンションの上がりすぎた人ほど危険なものは無い!
ミコトの胸を凝視する俺に、いつも通り死刑執行人が刑を行使する。
上がったテンションのままで……
「痴漢現行犯だ!」
たぐいまれなる運動神経で前宙し、回転の勢いを余す事無く踵を俺の脳天に撃ち込んできた。
今さら誰が?などと疑問も抱かない。こんな事を出来るヤツ、こんな事をするヤツなど1名しか知らないからだ。
それ以前に考える事も目視する事も出来ない。
なぜなら、いつもより回っている踵落としにより激痛はもちろん、顔を砂に埋めているから……
「そこが貴様の墓場だ!」
「ぶはっ!てめぇ夕日!殺傷能力抜群の技でツッコミを入れ…………」
怒り任せに砂から顔を抜き出し夕日に向かって怒鳴るが、その言葉は途中で飲み込まざる得ない。
両手両膝をついていた俺が見上げたのは、スポーティーなトップに短パンの形状をした水着を着ている夕日。
ローアングルから見える隠れ巨乳に目を奪われた。
「お前……本当に女だったんだな」
「貴様……遺言はそれでいいのか?」
物騒なセリフを吐いているが、見た目だけだと紛いもない女性だ。
絞まった脚、適度に腹筋のついたウエスト、なんと言ってもそれらのパーツにひけをとらない隠れ巨乳。
思わず見いってしまう。
「な、なんだよ?何か変か?」
「いや……変じゃないが……」
「じ、じゃあ、そんなに見るなよ!」
「そりゃ無理な話だ……まさか夕日がこんなに……」
「こんなに……?」
「パットを詰め込んでくるなんて!」
「100%自前だよ!」
再び襲ってくる踵により、俺の顔は前より深く埋もれていた。
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