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ようやく目の痛みが退き、ゆっくりと目を開けるようになる。
まだ少しボヤける視界に飛び込んできたのは、太陽の光を反射する黒髪……そして、黒いワンピース。
「危ないっ!」
「きゃっ!?どうしたのですか!?いきなり砂に頭を埋めて!?」
何かの危険を察した俺は、防衛反応のような行動を起こした。
「いや……見てはいけないような……見てしまえば俺の魔王が覚醒するような……」
「……欲情しそうなのね」
その通りです。
埋めた砂の中で再び魔王を封印し、再チャレンジとばかりに朝日を見上げる。
黒い髪、黒いワンピース、対をなす白い肌……
「俺……今日死ぬのかな?」
「……そうね……鼻血を拭かなければ出血多量で」
「早く吹いて下さい!」
朝日からもらったティッシュで鼻血を止めながら、それでも俺の視線は朝日から離れない。
黒いワンピースは朝日の大人っぽさを引き立て、飾り気の少なさがセクシーさを感じさせる。
均整のとれた体躯を隠そとしない水着は、コンプレックスである胸が小さかろうがトータルとしてセクシーなのだ。
ミコトのようなパーツでのセクシーさとは違う、滲み出るセクシーさに鼻血が止まるはずがない!
「……前世の罪を懺悔し始めたわね」
「きゃぁぁぁっ!帰ってきて下さーい」
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