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俺の背中が夏だというのに紅葉真っ盛りになる頃には、やっと稲葉先輩から解放されていた。
日焼けをする前から背中を真っ赤にしている俺は、多少の荷物と共に龍の側に近寄る。
「おや、これは開始早々満喫している空ではありませんか」
「手伝わなかったのは悪かったって。だからそう回りくどい責め方するなよ」
「そうですか……では、遠慮無く直接的に……」
「それは俺の精神が崩壊してしまう!」
龍が本気を出してしまえば、俺なんかの心は1分もしない内に廃人まっしぐらだ。
「まあいいですよ。このような場所で空が浮かれないはずがありませんし」
「さすが親友。よく分かっている」
「見知らぬ女性のお尻を追いかけて、迷子にならなかっただけ良しとします」
「子供か俺は!?」
「……子供」
「どこ見て言ってやがる!」
これはヤバい!龍の言葉責め+ましろのボケでは俺の精神は秒殺だ!
「とりあえず、こちらは一段落付きましたので僕らも着替えてきますか」
「ああ、そうだな」
龍が言った通りパラソルから敷物、荷物が綺麗に整頓されている。
1番準備が出来てないのは男連中の格好だけらしい。
「更衣室はこっちみたいですよ。早く着替えましょう」
俺は龍の後を歩いて着いていく。
「……………………」
「お前も着いてくるんじゃねえよ!男の更衣室に何の用があるんだよ!」
「……のぞき!」
「堂々とした変質者だな……」
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