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ましろをパラソルに縛り付け身動き出来なくしてから、俺らはさっさと着替えを済ます。
男の水着など9割方トランクスタイプだ。柄の違いはあれど、女の水着のように華やかさなどありゃしない。
……しないはずだ。
「うはっ!稲葉くん、凄いマッスルだね」
「おわぁ……どう筋トレしたら効率的に筋肉付くんですか?もう少し筋肉付けて柔道技の威力を上げたいんですけど」
「澤村先輩も絞まった筋肉ですね。部活もしていないのに毎日トレーニングでもしているのですか?」
「ちょい龍!1枚!1枚でいいからベストショットを!」
華やかな筋肉祭りだった。
俺だって普通の人から比べれば、それなりの筋肉が付いているし、決してだらしない身体じゃないだろう。
だが……この2人に挟まれてしまえば……
「ふふっ……現実って残酷ですよね……いくら本人に悪気が無いとはいえ……」
「今まで悪かったな朝日……」
「……友情?」
今の俺と朝日の立場は一緒だった。
かたやモデルばりのスタイルを持つ周りと、かたやボディビルばりの肉体を持つ周り……
標準的なはずなのに、いかにも自分が劣っているように思える。
「……一緒にするのは朝日に失礼だわ……朝日には胸は無くともお尻がある」
どうやら俺だけ蚊帳の外らしい。
そんな現実に打ちのめされながら、俺はパラソルに拘束したましろを解放する。
「……落ち込む事は無いわ……乳首の色なら空が一番よ」
「だからピンポイントはよせ!」
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