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それにしても、全員自由なものだ。
俺に関しては今さら何も言えたもんじゃないが、朝日までこんな状況なのに自分が遊ぶのに精一杯で誰も声を掛けてこない。
瑞希元会長は言うまでもなくブレーキの壊れた幼女となり、海辺をひたすら走っている。
そんな瑞希元会長に付き合えるのは稲葉先輩だけ。
ミコトと夕日は海に入って跳びはねているし、ましろは砂遊びだ。
卑猥な形状の物体を作ろうとしているましろを制する海。
そして、その4人から等距離で害虫がつかないように目を光らず龍。
どうやら海に来て1番割が合わないのは男連中だろう。
「稲葉先輩と龍が居てくれてよかったぜ」
「ふふっ、あの4人は目を惹きますからね」
「目を惹くだけならいいけど色々危うい……って言ってる内に海に害虫が!?おらぁ!龍は何しとんじゃあーっ!」
「女性に囲まれていますね……」
「なんですと!?じ、じゃあ稲葉先輩は!?」
「子供に囲まれていますね……」
「ぷっ!瑞希元会長が召喚した子供に囲まれているのかよ!げらげら!」
「笑い事じゃねえぞ一ノ瀬!」
「さーせん!短距離走も早いっすね先輩……」
猛ダッシュで戻ってき、俺の顔面を鷲掴みする稲葉先輩だった。
その間に海は自力で害虫を追い払い、龍も自力で脱出していた。
「自らパラダイスを放棄するとは……もったいない!」
「本音が出てますよ空くん。そんなに女性に囲まれたいのですか?既に囲まれている気もしますけど……私が隣じゃ不服ですか?」
「そんな事は無いぞ!朝日1人とそこらの女性100人とだったら、俺は間違い無く朝日を選ぶ!選ばしていただきます!」
「わ、わかりました!わかりましたからそれ以上力説しないで下さい!私が恥ずかしくなります……」
イタズラ心の発言を心から悔やむ朝日だった。
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