おまけ

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揉みくちゃにされている瑞希元会長を優しい表情で見守る俺。 そんな俺に汚らわしいものを見るような表情を浮かべる海。 今さらながら、普段の表情とのギャップに背筋がゾクゾクしてしまう。 「ドMっぷりが増し増しかな?」 「心を読まないで下さい幼女!」 ようやく落ち着いてきたのか、瑞希元会長から少しだけ離れたみんなに対し、ましろは容赦なく後ろから膝に乗せている。 しかし、そんな事に動じる瑞希元会長ではない。ましろの膝の上に乗りながら、普通に会話をし始めていた。 「今度の日曜日はお暇かな?お暇だよね!特に空くんは!」 「個人攻撃!?暇と言いますか……暇じゃないと言いますか……暇になりたいと言いますか……」 歯切れの悪い言葉を並べながら、ちらっと朝日の方を見る。その視線に朝日は気付いていないようだった。 「はっきりしないなー。暇or暇?」 「選択肢が無い!」 「どうせ貴様は年中暇だろ?このニート野郎」 「誰がニートだ夕日!?個人的には用と言えるものはありませんが……」 俺がそう言い終える前に瑞希元会長が待ちきれないように言葉を挟む。 「じゃあ、海に行こうよー。みんなで!」 「……スク水!?」 「なぜお前は水着=スク水なんだ?」 安定のましろだった。 とても魅力的なお話……普段なら迷う事なく即答だろう。しかし、今の俺には即答出来ない理由がある。 その理由に関わる人物の方をちらっと見る。その人物は、今度は俺の視線に気付いていた。 「必死に目で訴えないで下さい!」 偏差値が足りなく、朝日まで巻き込んで勉強を教えてもらっている俺が遊んでいいのだろうか?多分、今度の日曜日も朝日は勉強を教えに来てくれるだろう。 そこまでしてくれる朝日の許しを得ずに決める事は出来なかった。
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