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ラッキースケベ属性。そのような素敵な属性持ち主がこの世にはいるらしい。
多分、俺もこの属性の持ち主なのだろう。
だが、そんな素敵な属性も持ち主が俺であるからには、どうにも詰めが甘い。
朝日に向かって倒れこむ俺は、そのまま朝日を押し倒してしまっていた。
奇跡的に朝日の股の間に入り込む俺の脚。そして両手は……
朝日の顔を挟むように地に着いていた。
これがかの有名な床ドンなのか?と考える余裕も無い。
本物のラッキースケベ属性の持ち主なら、せめて片手ぐらいは胸に……などと考える余裕も無い。
なぜなら倒れた勢いで肩膝を立てている朝日。その膝が俺の眠れる魔王に直撃しているからだ。
「○□△@〆々仝≦¢♀!!!」
言葉に出来ない痛みは俺の顔に苦悶の表情を浮かび上がらせ、流れる脂汗が下にいる朝日に向かって落ちていく。
最初はびっくりしていた朝日も、俺の表情と自分の膝に感じ感触に事の重大さを知ってしまう。
「きゃぁぁぁっ!大丈夫ですか!?」
「だ……大丈夫……多分……」
その場からまったく身動きとれない俺。それを知ってか、朝日も身動きがとれないでいる。
こんな状況を知らない人が見たら、100%俺が朝日を押し倒している格好だ。
当然、姉LOVEな妹が見ても……
「貴様は公衆の面前で何をしとんじゃーーーっ!」
お前はさっきまで海に入っていただろうが!というツッコミを入れる余裕も無く俺の背後に回った夕日は、まるでサッカーボールのように俺の股間を蹴りあげた。
そんなワールドカップレベルの蹴りに俺の身体は吹っ飛ばされ、詰めの甘いラッキースケベタイムは終了したのであった。
そして、そのまま肉体的苦痛を伴う説教タイムへと移行していた。
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