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「貴様はあたしの姉を辱しめる為だけに生きているのか?」
「滅相も御座いません」
「じゃあ、どうして毎度毎度あのような状況を作り出せる?」
「それは……ご都合主義とでも言いましょうか……」
「貴様は神か?ご都合主義を作り出す神なのか?」
「いいえ……決して……そのような大それた……者では……」
「じゃあやっぱり狙ってやってるのか?」
「……………………」
「夕日!その辺で止めなさい!空くんが白目を向いているじゃないですか!」
見事に極った三角絞めは頸動脈を圧迫し脳へ酸素の運搬を妨げる。
首を締め付ける夕日の太ももの感触を味わう余裕も無かった。
結局、いつも通り夕日の制裁をくらい、いつも通り朝日に助けられ、いつも通り土下座する俺だった。
「……安定感抜群の土下座ね」
「土下座歴何年だと思ってるんだ!そんじょそこらの土下座と一緒にすんじゃねえ!」
「まったく威張れた事じゃありませんね」
「あたしも空に土下座された事あるけど……いつ見ても綺麗な姿勢だわ」
「ちなみに空くんは誰に土下座する回数が1番多いのかにゃ?」
「瑞希……聞くまでもないだろ。そりゃ一ノ瀬の事だから……」
「はい、実妹です」
「……もう海は姉を名乗った方がいいわ」
「嫌ですよ冬月さん。血縁関係自体……」
「そこから!?」
一ノ瀬家の力関係がまざまざと暴露されてしまう。
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