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この騒動のおかげ(?)で完全復活を遂げた朝日は夕日とましろに手を引っ張られ海に突入していく。
「ちょっと!夕日!走るの速すぎます!こんなに悪い足場でどうして速く走れるのですか!?」
「日頃の鍛練!」
「ましろさんもどうして夕日と同レベルで走れているのですか!?」
「……濡れた黒髪……ピッタリと張り付く水着……」
どうやらましろは腐った思考のみで、夕日と同レベルの運動神経を発揮しているようだ。
「なによ朝日、これぐらいの砂場で足をとられていちゃ将来ぷにぷにの脚になっちゃうよ」
「……ぷにぷに……だと!」
「遅いですよ夕日!日頃から鍛練しているのですから、これぐらいで足をとられないで下さい!ましろさんもぷにぷには非現実的な話ですから、脚にしがみつこうとしないで下さい!」
いつの間にか朝日が2人を引っ張らる形になっていた。
「何やってんだあいつら……」
精神的にはほぼ復活を遂げた俺だが、まだ脳に酸素が行き届かない俺はパラソルの下でその光景を眺めている。
「元気だねぇ、あの3人は」
「何を年寄り染みた事を言ってるんすか?瑞希元会長」
「実際、年寄りだも~ん。1歳の歳の差は大きいんだよ」
「確かに……19と20では……」
「うわぁ……全ての成人女性を敵に回したね空くん……」
いつの間にかパラソルを挟んで瑞希元会長が隣に座っていた。
「瑞希元会長も遊んできていいっすよ。あっちでお仲間が待っているじゃないっすか」
「お仲間?子供達の群れだよね!?」
とても良くお似合いです。と言わなかった辺り、俺の成長が伺われる。
「それより空くんは海に入らないの?」
「まだ夕日のダメージが抜けていませんから。もう少しニヒルな俺を演じていますよ」
「ニヒルと言う名の視姦?」
「はははっ、この幼女がー」
「怒りながらも水着を凝視する安定感。さすがは空くん。成長が無い!」
どうやら成長したと思っているのは自分だけのようだった。
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