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今は『見せパン』というものがあるらしい。
まんま、見せる用のパンツ。
パンツ自体、見られたくないものではないのかと思うのだが、彼女らにとっては違うらしい。
昔は制服の下にブルマを穿いていた。
今は短パンと言うらしい。
ここ最近は、ブルマというもの自体、ある種の専門店でしか手に入らないという。
それもまたどういうことなんだろうと首を傾げるが、今は見られたくないパンツの上に、『見せパン』を穿くのが主流らしいのだ。
どうにも理解不能な時代の流れというものに、自分もやはり年を取ってしまったのかと愁いながら、相変わらず笑う度に膝が揺れて、今にも中が覗けそうな女の子の足を、本人よりもハラハラしながら弁当を頬張っていた。
「見てんじゃねぇよ、ババァ」
バッチリと化粧を施された顔は、アイラインとつけまつげで真っ黒に塗りつぶされている。
なので、目は大きいのに、全部が黒目のようになっているから、何処を見ているのか分からなくて、
思わず自分の後ろを振り返るというお約束をかましてしまった。
「バッくれてんじゃねえよ。おめぇだよ、おめえ。てか、後ろ木しか生えてねえだろ。面白えことしてんじゃねえよ、おばさん」
流石に突っ込みの早さは現代っ子だった。
ついでに言葉の汚さも、きっと今風。
「さっきからじろじろじろじろ人のこと見やがって。気が散るんだよ。どっか行けばあ?」
いや行けと言われても。弁当食べている途中だし。
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