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昔のことを言うティオーネに魅力を感じたドライが自分の右肩を見せた。
「ローゼンフィエルドの紋章が私にも刻まれている。月桂樹に鷹。マジでこの国が嫌いな訳よ。私は人間よ。あなた達七人が居ないと世界がぶっ壊れる。助けて・・・世界を」
よく分からない話が膨れ上がっている。ティオーネは剣を腰に差して銀製の十字架の指輪をはめて暗い道を灯して進み城の真上に到達した。
「着いたわよ。」
「まっ。まって。まって・・・・」
「門番が近衛兵も銃槍兵が要る。クソが。」
舌打ちして黒衣のフードに黒コートを着てハシゴを登り門まで来た。保証としてドライも来た。「来て遣ったよ。だけど俺は何もやってない。」と反論して中に入ると否や石が投げられた。王女の「誘拐拉致」はこの国の人間にとって死罪に相応しい。
「出てけ!」
「クズが!」
「出てけ!」
「出てけ!」
騎士に石を投げつけられても痛みに耐えて扉まで来ると聖騎士に出迎えられた。
「善くぞ自ら投降した。罪人・・・ティオーネ・エイゼンヴェルト・アガートラーム」
聖騎士に逮捕されて地下牢に収監された。その後ドライツェーンが来ると騎士が跪いた。
「王女様だ!」
「ドライ様だ!」
「キモイ・・・私はティオーネに助けて貰った。それを御前達が私を追ったのが悪い。私は神託帰りだった。・・・・世界が消滅する。父上にお会い願いたい」
ドアを突き破り廊下を走り父親が他の女をベッドで抱いていた。
「はっ?あ?はっ?何しているのだよ!」
「こ、こ、こ、こここ・・これ・・・・は・・あも・・・あ・・政治の一環だ。ドライ落ち着け!」
「親父!」
怒鳴りつけるとドライが扉を叩き父親であるアーヴァセル王が謝った。
「ふしだらなことは謝る。済まぬ」
ドライが廊下を出てティオーネは暗い牢獄に閉じ込められた。
「御前の命明後日の午後八時過ぎ。死刑じゃ」
「ああ・・・そうか」
看守に言われて気付くが、俺はもう長くは無い。地べたに剣を置き白装束に着替えて髪の毛を久々に解きストレートに顔も綺麗に整えた。
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