第一章伝説の物語(Die Geschichte des legendaren)

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「ようこそ。ようこそ。こちらに記入して下さい」  白い正方形のアンケート用紙に記入してプラカードを手渡された。 「ID6800978110092211ですね。はい。では用件を」 「すいません。七英雄黙示録。全巻・・・」 「お待ち下さい。五分ほど御時間取らせますが、其処のベンチで座って下さい。」  ベンチに座るとウェルカムサービスでウェイトレスがミントマテ茶をコップに注ぎ渡した。 「あっ。ありがとう」 「ありがとう」  五分が経ちインデックスが戻り古書をティオーネに見せた。 「こちらですね」 「はい」  ティオーネは早速本を開いた。 《七英雄黙示録》 魔王殲滅の功績を印し本初刊は英雄の生きた証しについて記す。 一、 魔王はかつて世界の厄災。だがその正体は分からない。五人の将軍は今でも凍結されているが、生存は確認できる。闇の世界に混沌が支配し闇の王。魔王を再び復活する。 二、 再び七英雄はこの時代に招集される。それぞれ罪の力で魔神を宿す。悪には悪を。 三、 レヴィハシュヴィルト・オーヴェサダーイン卿にご冥福を献げる。本書は英雄が生きた証し。  古いパピルス紙に英雄の名が刻まれていた。 Ⅰレヴィハシュヴィルト・オーヴェサダーイン(憤怒の大罪)男性。 Ⅱエレンディザン・ドンコウスタドーリラゾン(強欲の大罪)男性。 Ⅲイシュタル・ソドミー・レシュタレッツアー・ヴィレアサクス(色欲の大罪)女性。 Ⅳイーサンガッンドリックス・ファーサッエラボン・ソニックラー(傲慢の大罪)男性。 Ⅴウェリギルレル・レザヴィエルト・ノーサングレンチォーネ(嫉妬の大罪)女性。 Ⅵジルドー・リリアーレダスックルト・ダッスマスラカン(暴食の大罪)男性。 Ⅶルーゼン・ヴィクアストランド・ブリヴェルトサーアーマク(怠惰の大罪)男性。  偉大な七人の名前を初めて分かった。これから探すのはこの英雄の末裔だ。 「戦姫だ。」  戦姫の地図が挟んであった。戦姫とは英雄達に神託を託した巫女の役割と魔王を共に殲滅した戦の姫だ。世界地図には千年前の紅い印がマークされていた。
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