第一章伝説の物語(Die Geschichte des legendaren)

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「その者一歩退け。私達は王国最凶の聖騎士団。“円卓の騎士”・・・・左様に手出し出来ないが、大人しく投降しろ。姫を差し出せ」 「はっ?誰だ?シラねぇ・・・・」 「惚けるな!先程助けた女性こそ我がローゼンフィエルド国第一王女ドライツェーン・ドライ・R・R・ローゼンフィエルド王女だぞ!この世界で一番美しく高貴な御方だ!さっ、差し出せ。悪いことはしない。金か?金なら在るぞ。」 「フッ。ハハハハハハハハハハハハ。金?金だと?俺には金は要らない。要るのは自由だ。王女は渡さないな。追っているって事は捕まえる気だよな?助けてって言う女を見捨てるわけには行かない。」 「ならばっ、死ね!」  黒騎士五体と聖騎士団に周りは囲まれた。ジューシーの尻尾を握り十字に祈るドライツェーンにティオーネは剣を逆手に持ち変えて深呼吸した。 「遣れ!」 「漆黒重力剣!魔王の王冠」  黒騎士が魔法を唱えた。剣スキルの魔法だ。闇魔法に武器付加付属の援護スキル。 山道が重力で押し潰されてティオーネが踏ん張るが、地面に押し潰されそうになるが、歯を食いしばり双剣に一対の剣に変形させた。 蒼白と真紅の刀身に蒼焔を纏わせて重力を掻き消した。 「魔神大罪剣(第一罪の型)“憤怒氷雷舞紅蓮龍牙千本桜”」  抜刀状態からの聖騎士を吹き飛ばし氷と雷と炎で足止めからの動きを封じ込めて漆黒の空間に千の桜が散り乱れ咲連続の衝撃波と無数の剣戟に聖騎士と黒騎士はあっと言う間に倒された。 「うぅ・・うぅ・・・わあ・・・ぐぅ」 「お・・・ぐぅううぐぐぅ・・・」 「あああ・・・・ぐず」  聖騎士は純白に白銀の鎧を着た騎士が総崩れでティオーネは剣を鞘に戻した。直ぐさまに馬に乗せてその場を立ち去った。この行動は直ぐに血裁に知れ渡り緊急指名手配にティオーネの貌写真が各地に出回り壁に貼られ広告にもでかく宣伝された。全世界が「王女誘拐拉致」の記事に目が眩み騒ぎ立てて全勢力を挙げての検挙と逮捕に精を上げた。その事はティオーネも知り港町の倉庫に身を潜めた。 「ごめんなさい。ごめんなさい。御免・・・・・」 「良いのだよ。気にするな。」  ニコリと笑いかけて黒コートをコンテナに乗せてボロボロのコートを畳み荷物のテントから新しい服を出した。王女がその背中を見て声を甲高げる。
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