プロローグ

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ここに足を運ぶことになるとは…… 小さなエレベーターに身体を押し込め、目的地の3階ボタンを押した。 上階へと箱を動かす機械音が大きく聞こえ、若干の振動さえ不安に感じてしまった。 ――チーン 昔ながらの音。 扉が開く合図。 古いエレベーターを降りれば『こちらをお取りください』とプレートに促されるまま受話器を上げた。 『いらっしゃいませ。お名前をお願い致します』 機械のような女性の声。 「あ……ネットで予約した相原です」 『相原様。お待ちしておりました。受話器を置いてしばらくお待ちください』
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